読み歩き亭

歩いて、片づけて、寝ています。

他人を批判するときは

「エブリシング」安野光雅(文春文庫)

 の中の「ファーブル代弁記」の項で安野光雅が、ファーブルを悪文と決めつけたアナトール・フランスとそれを不用意に引用した久野収を批判していた。ファーブルになり代わって弁明するというのが、「バキ外伝」の愚地独歩みたいで面白い。その代弁のために、筆者は「思想のドラマツルギー」や「林達夫著作集全6巻」などの大著を読みまくり、アナトール・フランス久野収の矛盾をつく。だれかを批判するときはこのくらい勉強しないとだめなのだな。

翻訳とは裏切なり

 翻訳に関する諺が紹介されていた。

 「翻訳とは女のようなもので美しいと忠実でないし、忠実だと美しくない」

 むむむむ。

エブリシング (文春文庫)

エブリシング (文春文庫)