読み歩き亭

歩いて、片づけて、寝ています。

寝る前に読んでやった本

絵本から消えた「悪」と「死」

 保育園の次男は「まめまきぱっぱっ」作・絵 鈴木博子(学研)を持ってきた。

 ねずみ、うさぎ、ぶた、くまが節分の豆まきをしているところに鬼がやってきて、初めは怖がるけど、受け入れて一緒に豆まきするお話。うちにある絵本はページの間にさらに小さなページがあって、それをパタパタやって豆をまくのが次男は楽しいらしい。

 読んでやりながら、最近の絵本はこういう性善説的な和解の本が多いな、と思う。

 子供が楽しくよんでいるこの本自体には特に文句はないのだが、うちにある多くの絵本には純粋な悪やそれとの対決やその結果としての死が描かれていない。

古典の迫力

 そんな中で数少ない例外は「三びきのやぎのがらがらどん」。

 おおきいやぎはトロルを

 

 つので めだまを くしざしに、ひづめで にくも ほねも こっぱみじんに

 してしまう。容赦ない対決。トロルがかわいそうとも考えられる。アマゾンのレヴューでも「教育的道徳的でない」という批判がいくつかあった。自分の子供には読ませたくないという人がいるのもわかります。

 ただうちの本棚にはいろいろな本があったほうがいい。そこに「がらがらどん」のような野性味あふれる本もほんわかした本もあるのがいい。

 昔話や古典に垣間見える死や悪の要素も人間の一面の真実を表していて、それを絵本の中から少しは子供に見せてやってもいいと思うので。

三びきのやぎのがらがらどん (世界傑作絵本シリーズ)

三びきのやぎのがらがらどん (世界傑作絵本シリーズ)