「ショージ君の面白半分」を読む
断定の妙
東海林さだおの本で多用される断定。その一例。
宴会の客は、元を取ることばかり考えている。
客は会費分飲み食いしただろうか、という不安に四六時中つきまとわれる、と断定する。
そんなことまったくない、という人もいるかもしれないが、大半は、程度の差はあっても「そういえば、そんなことも思っているかもしれない」と感じるのではないか。
この断定はどうでもいいことにのみ使用され、政治宗教倫理などには言及しなので、飯が不味くなることもない。
解説は神吉拓郎
解説の中で、「東海林さだおは実は肥満ではなく、日に焼けて締まっている」とあるのには意外性はなかったが、
あの方は、書くのが実に早いんです。あれだけの名文を、すらすらと書き上げてしましまう
というのには唸った。
比べるのもおこがましいが、このブログを書き始めて、文章を書くのには時間がかかると思い知った。俺の場合、毎時400字くらいだ。
学ぶことは常にあり、席に臨んで文台と我との間に髪を入れず、思うこと速やかにいいでて、ここにいたりて迷う念無し(芭蕉)
ということであるか。
魚河岸の義理人情
築地市場のルポ「魚河岸は男のだいどこ」で、交番に裸現金が落とし物として届けられる話が出てくる。裸現金か。俺なら届けられるだろうか。
- 作者: 東海林さだお
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1979/12
- メディア: 文庫
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快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー、#19
#19、「命令違反の代償」
ギャングラーに一時的に操られた咲也は、簗上審議官を怒らせてしまい自宅謹慎。家を出たらクビと言い渡される。しかし仲間の危機を知り、命令に背いて現場に向かう。
そこに待っていた直属の上司のヒルトップ管理官は一言
「大事なもの 忘れてるぞ」
VSチェンジャーを手渡し、咲也を見送りながら、
「俺もクビかな」
とつぶやく。
いいですね。三宅隆太監督のいうところの「待て、足がいるだろ」場面でした。
「待て、足がいるだろ」場面とは何か
映画などで多用される場面のひとつ。主人公が次のステージに向かおうとするとき、それまで敵対していた人物が現れ、「待て、足がいるだろ」と車のキーを差し出すというもの。
キーの他に、武器、通行証などのアイテムもあり。
よくあるシーンだけど、よく出来ていてグッときた。
簗上審議官
あれ、見たことがあると思って調べたら、相島一之だった。
そして温水洋一は今回は出なかった。
ダイエットも年をとる
水曜断食、52日目
伊藤理佐著「なまけものダイエット辛口篇」を読む。
若いころは「痩せてる」と「太ってる」の分かれ道を主に考えているが、40代になると「要介護」と「介護されない」という新しい分かれ道が現れる、とある。他にも「ヒザ」「シラガ」「シワ」など、敵がどんどん増えてくる、とも。
男性はあまり気にしない敵もあるけど、気分は俺もわかる。
以前はガンガン食べても、そのぶん運動すればいいだろ、と思えたが、腰痛で動けなかったり。
吉川晃司はたらふく食って、その分滅茶苦茶泳いでいると数年前に聞いたが、いまでもそれを維持できているのだろうか。だとしたら羨ましい。
水曜断食を改定する
水曜を断食、木曜から日曜を小食、月曜火曜を暴食、としていたけど、小食と暴食の日は無しとする。単に「水曜日に食べない」とだけにします。
リバウンドのダメージも中高年ほど大きい。シンプルなほうが習慣は作りやすいということで。
6月8日(金)45日目
朝、60.3㎏
朝食、レトルトカレー、ご飯、ジャガイモとわかめのみそ汁、さくらんぼ
夜食、カルパス6本
夜、61.0㎏
6月9日(土)46日目
朝、60.7kg
朝食、ホットケーキ
夜食、助六寿司、カルパス3本
夜、60.7kg
6月10日(日)47日目
朝、60.4kg
昼食、パン、ヨーグルト、ウインナー、グレープフルーツ、ポテトグラタン
夜、60.4kg
6月11日(月)48日目
朝、59.8kg
朝食、ご飯、大根のみそ汁、納豆、菓子パン
夜食、助六寿司、サンドイッチ、アイス、チョコレート
6月12日(火)49日目
朝、60.1kg
朝食、ご飯、あさりのみそ汁、納豆、アイス
夜食、サンドイッチ、ご飯、鶏の唐揚げ
夜、60.4kg
6月13日(水)50日目、断食
朝、60.1kg
食べず
夜、59.8kg
6月14日(木)51日目
朝、59.5kg
朝食、ご飯、塩鮭、ジャガイモとわかめの味噌汁、ミックスナッツ
夜食、カップ焼きそば、カルパス3本
夜、60.2kg
- 作者: 伊藤理佐
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/01/30
- メディア: 単行本
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本屋で後ろから「俺も焼きが回ったな」と聞こえてきた
振り返ると大学生くらいの男性客2人連れだった。
岸本佐知子著「気になる部分」に出てくるヨコスカさんを思い出した。
ヨコスカさんは「さりとて」という言葉に異常に感じやすく、聞くと床をのたうち回る。
のたうち回りはしなかったが、俺も本屋で少しゾクッとした。この気分はあまり人には伝わらないか。
気にしない人は気にしない
「気になる部分」には気にしなくても全然かまわない話がつまっている。
多くの人がシュワルツェネッガーを"シュワルツネッガー”と発音しているとか、ロールシャッハ検査の絵がどれも骨盤に見えるとか、根掘り葉掘りの"葉掘り”とは何か、とか。
わかる部分とわからない部分
岸本佐知子の書く話の大半に親近感がわく。
「エレベーター」と「エスカレーター」は今でもとっさに言おうとすると混乱するのもわかるし、塩と砂糖を混ぜるとプラスマイナスゼロで味がなくなるのではないかという実験もしたことがある。
しかしヨコスカさんの他、多くの奇天烈な作者の知人の話や地面からさかさまに昇っていくカミナリを見た話になると、だんだん親近感ではすまなくなる。
作者の現実と空想、エッセイと小説がしだいに混濁してくる。
気軽に読めて可笑しいというだけではない、幻想や、ほんのすこしの狂気を匂わせる奇妙な味の本だった。
- 作者: 岸本佐知子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2000/09
- メディア: 単行本
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寝る前に読んでやった本、5
次男が持ってきた本は「おじいちゃんとパン」
トーストにジャムやあんこなど甘いものをぬって食べるのが好きなおじいちゃんと孫の話。
食いたくなるからやめてくれ
バターや砂糖もふんだんに使った甘いトーストが次々続々描かれる。絵も上手いので、滅茶苦茶食べたくなる。実物より美味そうかもしれない。
おじいちゃんが孫に
お前の好きな 甘いピイナツのやつ しかたねえから 付き合ってやる こってりぬれ
と言うセリフがあるが、このじいさん、わかってるなー、と思う。
そうなのだ、こういうものはこってりぬってこそ美味いのだ。
トムソーヤーの中で、おばさんがジャムを薄くしかぬってくれない、という場面があったと思うけど、それはないよなと思う。
しかし
こんなのばっかり食べていたら次男は「標準」から「太りぎみ」に、俺はメタボになるのは目に見えているので毎日食べたりしてはいけない。
あんこに塩を少し入れるごとく、物語の最後にしんみりした場面があるのもいい。
- 作者: たな
- 出版社/メーカー: パイインターナショナル
- 発売日: 2017/06/09
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快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー、#18
#18「コレクションの秘密」
グッドストライカーに焦点を当てた回だった。
グッドストライカーはロボットになるとき中心になるビークルで、それにルパンレンジャーとパトレンジャーから3体ずつ頭と両手になるビークルがついて、2種類のロボットになる。
今回はそのグッドストライカーにルパンレンジャーの頭とパトレンジャーの手がついたり、頭はあるけど手はないロボットになったりして、息子たちにはウケていた。玩具を買ったとき、いかにも子供たちがやりそうな組み合わせ。たぶん彼らの購買してもらう意欲を高めただろう。
戦隊ものの玩具
毎年、テレビシリーズは新しくなるのでそのたび子供たちは新シリーズのおもちゃを欲しがる。
はじめは、そんなもの買ってもすぐ飽きるのではと思って買うのを躊躇することも多かったが、最近は若干財布のひもが緩みがちだ。
理由1、案外子供は飽きずに遊ぶ。
新しい戦隊が始まっても、子供は古いおもちゃをいきなり見放したりはしない。ストーリーを組み替えて、ごっこ遊びに使う。剣、車、ヒコーキ、銃という基本的な形とカッコよさがあれば昔のシリーズのものでもそそられるようだ。
理由2、制作にかける熱量が想像される。
子供といっしょに見ていると、戦隊シリーズにかける製作者の意気込みが伝わってくる。それは「脚本」「俳優」「撮影」「音楽」「スーツアクター」などあるが、「おもちゃ」もその一つ。
- 単体でも遊べる
- 合体もする
- ロボットのおもちゃと等身大のおもちゃも連携できる
はデフォルトで、その他のギミックもつくことが多い。
今作ではないが、ジュウオウジャーのときは、すべてのおもちゃが立方体にも変形できるというもので、その創意工夫に感服した。特にキューブエレファントはすごかった。
微力ながら購買することで応援したいと思うようになった。
理由3、単に俺が欲しい
キューブゴリラのロケットパンチはなくさないように、俺が主に気をつけた。自分が子供のころ必ずなくして悲しい思いをしたので。
町内会の掃除でモヤっとしたこと
うちの町内会はいくつかの班に分かれている。
俺の家は8班で全部で10班まである。各班にはそれぞれ8世帯くらいが所属する。
町内清掃の日になると班に割り当てられた場所を掃除したり、草を刈ったりする。
草むしりはきらいじゃないけど
問題は8班の人があまり出てこないことだ。開始時刻より前から始めても、一人ではとても定刻に終わりそうにない。途中からAさんとBさんが出てきてくれて手伝ってくれたがまだ足りない。
隣の7班と9班に目をやると、十分に人がいて余裕をもって作業をして、定刻に終了している。予定終了時刻を過ぎても汗だくで草を刈っていると、9班のCさんが「大変ですね」と手伝いに来てくれた。ありがたかった。
しかし、仕事に行く時間が迫ってきたので3人に「すみません。先に上がります」と言い残し、俺は家に帰った。
心の中の愚痴を羅列すると
- 余裕があったらもっと隣の班も手伝ってよ。(Cさん、ありがとう)
- 結構長時間働いた俺が、最後は「すみません」と謝っている。
- 参加した人がなんか損をしている気がする。
- 腰が痛い。
それぞれに対するセルフたしなめ
- 各班はそれぞれ持ち場がある。善意で手伝うことがあっても義務はない。そもそも普段から少しずつ手入れしているから早く終わったのだ。
- そういうものだ。
- 参加できない世帯にどんな事情があるのかわからない。
- 知らん。
「文読む月日(中)」トルストイ(ちくま文庫)の中
6月の項で
あらゆる仕事の中で、常に充分な仕上げができる仕事というのは、報酬を求めることのない愛の仕事だけである。
と、トルストイ先生は言っていた。愛ねぇ。愛って言われちゃ返す言葉もない。
それに、あらためて愚痴を整理してみると自分の小ささが分かった。俺が逆の立場だったこともあるだろう。
汗だくになったから帰ったら300g体重が減っていたのも良かったとしよう。
他の町内会の報われない人にも幸あれかし。
- 作者: トルストイ,北御門二郎
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2004/01/11
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