なぜ東海林さだおと沢木耕太郎は奥さんのことを書かないのか
「ショージ君のぐうたら旅行」(文春文庫)
「僕の棲む町」という項で、珍しく自分の家族のことに触れている。週に3日は別居婚だという話。美味しんぼの結婚の回を思い出した。
東海林さだおと沢木耕太郎は奥さんのことをほとんど書かず、娘さんのことはほんの少しだけ書く。
東海林さだおは日常生活の細かな可笑しさを微細に観察してエッセイにしてくれるが、その対象となっては奥さんがつらいからだろうか。
私の中ではこの2人に椎名誠と村上春樹を加えた4人が楽しく読めるエッセイスト四天王なのだが、椎名誠と村上春樹は奥さんのことをたくさん書いているのが対照的だ。
1973年刊行
今読むとよくわからないネタもある。「81日間で離婚した女優H・Y子」とか、「11兆4千万円などという金額がスラスラと口をついてでてくる人」とか、誰のことなのか気になる。
「ホッケという魚」を説明する文章もある。当時はホッケは一般的ではなかったのだろうか。電子レンジをもっているふりをする、という記述もある。
「宗薫先生のモテ方教室」の項は昔読んで勉強になった覚えがある。
- 作者: 東海林さだお
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1977/10/25
- メディア: 文庫
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