読み歩き亭

歩いて、片づけて、寝ています。

「ショージ君のにっぽん拝見」の感想

東海林さだおのエッセイ第一作 

 夜食を食べながら東海林さだおのエッセイを読むのは、日常生活で最も廉価に手に入る極楽である。読んでいて、自己変革や反省を迫られることがない気楽な本で、その気楽さは第一作にすでにあふれている。

現在との違い

 

 雑誌掲載は1968年から1971年にかけてなので、今読むと当時の世相に驚くこともある。

 新婚旅行に関するルポの中で、花嫁の年齢に言及し、「みんなだいぶ年を食っている」「どれをみても二十五六、なかには七八とみえるのもいる」と揶揄しているが、平均初婚年齢が29歳の現代からすると、十分若いよ、と思う。

 そして、現在では筆者の主たるエッセイテーマである食べ物のエッセイがほとんどない。それよりも女の子にもてたいという話が頻繁に繰り返される。筆者は当時31歳、さすがに若い。