読み歩き亭

歩いて、片づけて、寝ています。

次男がタイルカーペットにみそ汁をこぼした

 仕事の都合でカミさんが早朝からいなかった。

 息子3人に飯を食わせて、長男は小学校へ送り出し、次男三男を保育園に送っていかなければならない。

 早く食えとか、給食セットを用意しろ、などと言って、まず長男を家から出してやる。三男は自分で食べたがるがうまく食べられない。だましだまし食べさせて、手と顔を洗って、ベビーサークルに三男を一旦入れる。

 そのとき、まだ食べていた次男が「おもちゃが欲しいんじゃない?」と、ベビーサークルの方に行こうとして、たっぷり入っていた自分のみそ汁をタイルカーペットにこぼした。

ずいぶん前のこと

 ベランダで作業をしていたとき、近所の家から、お母さんが子供を叱る声が聞こえてきたことがあった。

 子供が何か散らかしたか汚したかしたらしく、お母さんの特大の舌打ちのあとに、「仕事増やしてんじゃねーよ!!」と響いてきた。

 そのときは、心の中で、「子供だって悪気があってしてるわけではないだろうに」とか思ってた。

テーブルから滴るみそ汁

 次男も悪気があってしたわけではなさそうだ。

 しかし、今は、あの時の近所のお母さんの叫びがよくわかる。

 2秒ほどの葛藤のあと、「仕事増やしてんじゃねーよ」のセリフを腹に飲み込んで、後始末に取り掛かった。怒って次男が泣きだしても面倒が増えるだけだし。

伊丹十三の本

 「女たちよ!男たちよ!子供たちよ!」の中に伊丹十三が1歳と5歳の息子2人の子守をする一日が描かれている。煩雑で気の休まらない育児の光景のあとに

これ、あなた三日続けてごらんなさい。確実に顔つきが女房に似てきますね。叱り方なんて女房そのもの。

とある。

 この本は1979年に書かれている。

 先駆的でありながら、本質的で腹が座った、良い育児書だと思う。

女たちよ!男たちよ!子供たちよ! (文春文庫 (131‐5))

女たちよ!男たちよ!子供たちよ! (文春文庫 (131‐5))